文部科学省の対応 



 文科省が作成している学習指導要領で規定された必修科目は、公立学校・私立学校に関係なく、法律で守らなくてはならないものです。未履修の当事者が、文科省の担当課を訪れて、決定的物的証拠(高校3年間の成績表と内申書の原本)とともに重大な不正を訴えているのに、文科省は、「監督官庁である静岡県庁が不正はなかったと結論付けた」ことを理由に、それ以上の追及を行ないませんでした。

 学校問題に詳しい人の話によると、文科大臣(文科省)は、不正の疑惑のある私立高校がある場合には所轄の都道府県庁に対して強力に働きかけることができるだけでなく、直接学校に対しても調査を行わせることができるということです。実際に文科省は、稀ではありますが、不適正な経営や不正の疑いのある私立高校に対して、直接学校に命じて内部調査をさせ、報告書を提出させています。

 文科省が、日本の教育行政上最高の官庁という認識があるなら、証拠を見ればすぐに明らかになるような不正を見逃さないでいただきたいものです。それができないのなら、いっそのこと文科省は最初から、学習指導要領を、遵守義務を伴わない単なる目標規定と位置付ければいいと思います。そうすれば、今後Aさんが訴えているような未履修は自ずからなくなることになります。

 先にも記した通り、Aさんは、静岡県庁の平成10年9月18日付学事課長(服部亨亘)名義の書面を持って平成10年9月22日に文科省に行き、初等中等教育局高等学校課の太田知啓氏(役職不明)に見てもらっています。太田氏はこの書面を読んで、「この書面では所轄庁(静岡県庁)は私立学校に対して、何の法的権限もないかのような誤解を招く」と述べるとともに「必修科目を履修していない、あるいは大学等へ提出される調査書(内申書)に虚偽の記載が記されているといった重大な不正の訴えがあれば、所轄庁はちゃんとした調査をする義務がある。」と言っていたそうです。

 その後、Aさんは、静岡県庁の不可解な対応を何とかしてくれるように文科省高等学校課の水野係長に電話で陳情しましたが、全く誠意の感じられない対応で、ついには電話を一方的に切られてしまいました。

 平成11年12月8日に、Aさんは文科省の金森越哉高等学校課長に電話をし、静岡県庁を指導してくれるよう、あらためてお願いしています。それに対する回答が、平成12年1月20日付、金森越哉高等学校課長名義の2枚綴りの書面(
1枚目2枚目)です。この書面を見る限り、文科省は、静岡県が加藤学園に指導した内部調査の虚偽の結果報告に基づく県の結論をなぞっただけで、独自の調査も疑念に基づいた再調査も一切行わなかったことがわかります。これが本当に日本最高の教育行政機関の「仕事」なのでしょうか。

 文科省教育課程課の大内克紀3係長も、上司(大槻達也教育課程課課長や前田克彦教育課程課課長補佐)と相談した結果として、「文科省としての見解は、既に金森高等学校課長が平成12年1月20日付の書面で示した」の一点張りです。本来であれば、文科省は、徹底的に実情を調査させる、あるいは調査するべきです。そうしないとしても、文科省として「加藤学園の未履修疑惑について、不正がなかったという結論になった。」という回答書面を公印付で出してくれれば、Aさんは大学受験をすることができたのです。

 文科省は、Aさんが大学受験をできずに困っていることを承知しながら、何ら有効な救済手段をとりませんでした。それは単に、彼らの本来の業務を遂行するだけの簡単なことであるにもかかわらずです。そのせいで、Aさんは大学受験をあきらめざる得なくなってしまった訳です。

 文科省は、不正を隠蔽するような悪い前例を作らないようにしてください。この頁に名前を記されている文科省職員のなかで、文科省職員としてまともにAさんに対応したのは、高等学校課の太田知啓氏だけです。太田氏以外の人は、未履修の隠蔽に協力していたと言っても過言ではありません。これでは学習指導要領を作成した文科省の職員がかわいそうです。おそらくは苦労して作ったのだと思います。

 当時、日本中で行われていた未履修問題については文科省も知っていたはずです。文科省職員でなくても、高校の教育関係者なら誰でも知っていたこです。逆にもし文科省が未履修問題を知らなかったというのなら、多くの人が知っている教育の実態を把握していなかったということであり、それはそれで大問題です。おそらく日本中の国民が、文科省が知らなかったとは思っていません。日本において文科省の存在意義って何? 思わず考えてしまいます。

 文科省の役人は、税金から給与を受けている国民の公僕のはずです。国民を困らせるような状況を放置して、国民に迷惑をかけたりすることのないように、常識と責任感を持ってまじめに仕事をしていただきたいです。現在も未履修を静岡県庁と協力して隠蔽している学校もあり、指導力を発揮してもらいたいものです。


   前へ      上へ      次へ